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2012年9月13日 (木)

この詩が、皇后さまが英訳された『THE ANIMALS』。

見つけました!ありました。これです。【THE ANIMALS】 大きなカリフラワーのような大木が白抜きでシンプルに描かれた表紙の絵本のような詩集。よ~くみると、木の枝や葉っぱの中に、動物たちが見え隠れしています。かくれんぼしているような、折り紙の切り絵のような表紙絵にワクワクしました。

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皇后、美智子さまが英訳をされた、まど・みちおさんの詩集「どうぶつたち」です。先月末、この詩のブログにも綴ったhttp://poesie-may.cocolog-nifty.com/poem/2012/08/post-94f0.html ので、待ちかねていた方も多くいてくれたかしら?そうです。美智子さまが、自らの感性で選び、日本語の詩に、英訳をされた詩集です。これは、IBBYの活動を通して、世界のこどもたちに日本の詩を紹介する役目を果たされた大切な一冊でもあります。

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表紙の絵は、安野光雅さん。中のページの挿絵や装丁もそうです。安野さんは、この詩集の邪魔にならないようにと、あえてカラフルな色彩の挿絵でなく、イメージが広がる帯状のラインにされたとか。心遣いが嬉しいですね。この本に関わったまどさんの詩は、1994年に、安野さんの絵も、1984年に、お二方共に、国際アンデルセン賞を受けておられます。

まど・みちおさんの詩は、どれもやさしいリズム感に富んだ言葉で、どうぶつたちの様子や感情が溢れています。それらの詩を、皇后さまが、ご自身で選びぬき、また、丁寧に細部に注意を払い、英訳をされました。細かいニュアンスは、これでいいかどうかは、原文の詩に忠実でありますようにと、何度もまどさんのご意見も取り入れたり、編集スタッフに関わった海外暮らしの方などの貴重な表現方法の指摘からも助言を受けたそうです。

依頼者の島さん(日本国際児童図書評価会理事)によりますと、お願いを申し出たのは、1989年の夏。昭和から平成に時代が移行してもっともご多忙な年であったとか。やがて、まどさんの作品の中から、皇后さまが選択され、翻訳した20編の英詩が1992年【THE ANIMALS】としてまとめられ、(すえもりブックスから発刊)アンデルセン賞国際審査員の数だけ複製され、海外に贈られたそうです。ですから、いま、私が手にしている本は、それを文藝春秋が引き継ぎ、内容・判型・装丁などそのまま、2012年4月に復刊したものです。

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20編にも及ぶ英詩の中から、私がとても好きな詩を二~三編ほど選んでここにご紹介します。


①最初にご紹介するのは、この“なみと かいがら”。英訳ではタイトルは“WAVES AND SHELLS”です。とてもリズミカルで、何故か私は、英国版のマザーグースの詩みたいに、歌い出しそうな謎解きの童謡に想えてなりません。




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なみと かいがら

    ☆

うずまきかいがら
どうして できた
―― なみが ぐるぐる
    うずまいて できた

ももいろかいがら
どうして できた
―― なみが きんきら
    ゆうやけで できた

まんまるかいがら 
どうして できた
―― なみが まんまるい
    あわ たてて できた


それに対して、美智子さまの英訳詩は、こうです。




 

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WAVES AND SHELLS

         ☆

Spiral shell, how were you born?
       I was born
While the waves were whirling
Round and round.

Pink shell, how were you born?
       I was born
While the waves were shining
Under the sunset glow.

Round shell, how were you born?

       I was born
While the waves were bubbling
Foamy froth.



②つづいて、ご紹介したいのが、簡潔で、印象的な詩、“シマウマ”です。英訳では、“ZEBRA”  もう、コレに関しては、なにもご説明はいらないほど(笑)。まどさんの感性と、美智子さまのセレクトされたウィットに拍手喝采です。今度、動物園でシマウマを観たら、笑っちゃいそう。この詩を呟いてみましょうかね。はい、もちろん、Englishで!

シマウマ

 ☆

手製の
おりに
はいている

それに対して、美智子さまの英訳詩は、こうです。


ZEBRA

 ☆

In a cage
Of his
Own making



③最後に、ご紹介したいのは、なんといってもこのタイトルにもなった“どうぶつたち”です。英訳では“THE ANIMALS” 短い詩のセンテンスの中に、壮大なスケールの歴史や、広大なアフリカの大地のような草原の波に並んで空を仰ぐ、どうぶつたちの雄姿がみえてきそうです。哀しいほど、健気で、美しい彼ら。いまを生きとし生けるもの、命ある野生の群として…。

どうぶつたち
   ☆

いつのころから
こういうことに なったのか
きがついて みると
みんなが
あちらのほうを むいている
ひとの いないほうを

にじのように はなれて……


それに対して、美智子さまの英訳詩は、こうです。


 THE ANIMALS

      ☆

How and since when
Has it been like this?
When we begin to see,
They've
 turned their backs to us,
Facing away from where we are.

They are now so far away,
As apart from us as is the rainbow.

美智子さまの英訳詩は、どの詩も、フレーズが綺麗で、やわらかいワードを選ばれていて、素敵。まさしく、世界の子どもたちへ、日本のかわいい詩心を届ける 虹の架け橋 みたいです。

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